露天風呂

新しいテキストドキュメント

オアシス

午後は8時36分、肌寒い風に襲われながら帰路へ立つ。

続いたこの景色も見納めとどこか特別な感情をいだいてしまうのは人の性。

いや、自分の性か。

こうして「きっと他人も同じだろう」と思い込むのが私の悪い癖。

大人の階段、それは子供の頃は無性に登りたくなる夢へと続く道。

勇んで踏み出す足もいつかは途切れ、振り返れど城は遥か……。

誰しもが思いを馳せ知らず知らずに駆け抜けるに一つ、ブラックコーヒーがある。

午後8時30分、アガサ・クリスティーは書いた原子爆発の方程式を元に繰り広げられる戯曲ではない。飲料のブラックコーヒーだ。

時に120円で(昔は100円だったが)一時の安らぎと多少のカフェインによる覚醒作用を与える豆飲料。それを"美味しい"と脳が認識できるかどうかの階段。

ブラックコーヒー、実は砂糖が入っているものもそれらしい。

美味しくないものでも大人のようだから飲む……そんな心を抱いている少年には朗報かもしれない。

いつからかそのような心も消える。

子供に戻りたいと思いながら美味しくないと思えば、子供のようでも飲まない大人になっていく。

"ブラック"コーヒーに"ホワイト"なミルクを入れると、当然色が変わる。

「これが侵略戦争か……」

そんな自分の滑稽さに薄ら笑いを浮かべながら、家の扉を開けるのだ。

引越しする前に一旦向こうに行くから、取り急ぎ生活用品やらをバッグにつめた。

洗濯物が溜まってるのに……。正直持って行きたいものが洗濯機にある。困る。

そういう時に限って、いや今なんだけど。洗剤がないし!どういうことだし!

ちなみにタバコもないし!

詰めたのはいいけど実際これ向こうで使うのかよくわかんないものばかりだし!!!!!!!1

後悔しそうだしもう一回開いて荷物確認し直そう……。

どうせならと開いた時間で部屋のポスターを剥がしたり、引越しの下準備したけどすごい殺風景になった。

そういえば引っ越してきたときはこんな部屋だったなあ。四角い黄色の模様がある壁紙じゃあなかったけど。

ちょっとした自慢だった大量の漫画は朝佐川に引き取られていったしー……。

次の家じゃあこんな本棚もいらんやろう!

多分このブログに残ってる記事の一番最初が引っ越してくる辺りなんよねえ。あれからもう二年!

あの頃の俺に一言言いたい。お前が持ってくる大量の玩具は帰るときに殆ど無くなってるぞと……。

動かせば最初からくっさいくっさいタバコの匂いがしたクーラーとももうお別れじゃ!

さあ今日の夜から私はバスにノリ旅立つ……。

次に自分の家でキーボードを叩けるのはいつになるかな?!?!・1

さらばだ東京よ!いつか帰ってくるぞ!

六本木のビルで夜景を眺めながら成功の酒を飲むためにな!!!!!!!!!!1111

そういえばメイド喫茶で酒飲んでねえ……。やり残したことは一杯だなあ。

また会おう!